松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

表(オ)

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文化二年乙丑閏八月
俳諧之連歌


わたる雁月の隈とも見る夜哉
 秋の野らなる庭へ稀人
取あへす茱萸の佩まいらせて
 漢書一冊置忘れたり
平蜘の二尺行ては滞り
 衾かさねて風ふせく頃
鐘のこゑ響合たる遠近に
 ゆふへ静々素湯たきる也