松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

2裏(2ウ)

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そこか因縁傾城の兄に紫衣
 百里へ懸る夢の浮橋  万年
化かされたやうな心て神路山  立葵
 牛か戻れハ機下る下女  菊武
売なからまた味知らぬ初松魚  雲牙
 きらすを上て弁天へ三寸 環川
聟の年いらぬ隣て岡つもり  馬隠

 悋気に狭い十府の菅薦
墨さして仕舞ふ大工の覚書  雲牙
 掘抜井戸に白鳥の声  太路
我か内を人任セなる藤沢寺  梅彦
 兎角見残す四石八木  斗涼
月花の籠る矢立の筆の先
 蚫の貝に雨後の陽炎
作者(連衆)
斗涼・梅彦・太路・馬隠・環川・雲牙・菊武・立葵・万年・白日(真田幸弘)