松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

名残表(ナオ)

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是からか本の春也廿日過  梅足
 ちつとたまると眠る新造  馬隠
酒と飯二道かけし帆立貝  貫環
 塩蒔たほと笹に初雪 白日
宝咲と匂ひ巨燵の冬篭  梅彦
 碁の負腹を横に手枕  笑口
僧留て地走にこまる佃嶋  馬隠

 彼岸の彼岸めかぬ長湿気  梅足
枝桜産家の伽に春見せて  太路
 老かミなから雛棚の世話  貫環
山深ミ一はね刎る塩小鯛  笑口
 託行奥に残る贄沙汰  太路
作者(連衆)
白日(真田幸弘)・梅足・馬隠・貫環・梅彦・笑口・太路