松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

点取俳諧集

高点句集

俳諧引墨高点留 表紙

俳諧引墨高点留 表紙

点者は、連句(場合によっては発句のみ)を記した懐紙帖を受け取り批点し、最後に自分の落款を書き加え、さらにとくに優秀な句を抜き書きして巻末に記し、懐紙帖を依頼主に戻す。依頼主は戻されてきた懐紙帖によって各宗匠の批点の結果を集計して、参加者の順位を決定する。
このように点者が付けた点数を競う点取俳諧では、高点を得るために当時の流行や点者の好みに合わせて作句するために、高点を得た句を集めて記録し、自らの作句の参考にした。真田宝物館に所蔵される『詭遇駟【きくし】』(安永4年から8年までの4年分が伝来)と『俳諧引墨高点留』(文化2年から約10年分が、それにあたる。
なお、当時さまざまな高点句集も刊行されていた。『誹諧童【わらわ】の的【まと】』、『俳諧觽【はいかいけい】』などのように、シリーズ化して刊行が続いたものもある。