松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

書道

書道

真田幸弘は書家としてもすぐれていた。幸弘の書は、松代を中心として北信濃一帯の寺社や民間に少なからず伝来している。求められて揮毫したもので、扁額として、また軸装して、大切に保存されている。なお、真田宝物館には幸弘が染筆した「唐詩選屏風」「蘭亭記」「赤壁賦」等のほかに「老第下法帖」(千字文や林泉帖)などの法帖も多く伝来している。

書の師匠

幸弘の書道の師は、平林惇信(静斎)と言われてきたが、その息平林惇篤(東嶽)の可能性が高い。惇篤は書のほかに漢詩を良くし、幸弘60歳の算賀集『千とせの壽詞』には、祝賀の漢詩を贈っている。

掲出した資料は、「口無声而 馬応轡策 不挙而遊千里」(口ニ声無クシテ馬応ズ、轡策ヲ挙ゲズシテ、千里ニ遊ブ」。藩主としての心がけであっただろうか。

真田宝物館ホームページで図録資料の閲覧が可能です。

http://www.sanadahoumotsukan.com/guide/book.php?g=2

平林惇信
元禄9年(1696)~宝暦3年(1753)8月21日。58歳。
江戸中期の書家。細井広沢門。
儒学は佐藤直方門。字は明義。通称庄五郎。別号桐江山人。

平林惇篤
寛保3年(1743)~文化3年(1806)10月7日。64歳。
江戸中期-後期の書家。
父は平林静斎。名は惇徳,淳篤。字は子孝、平甫。通称庄五郎。別号越水。