松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

3裏(3ウ)

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稲苅の中を牧士か仕入駒  梨東
 親の欲目に染木算へる
いつとなく乱るふ糸の恋衣  斗凉
 百里離れた所に歌の師  梅足
情なく舟曳岸の杜若  馬隠
 関の厠に昼の蚊柱  梨東
仇討はあの乞食かと驚きて

 齢ハ百と苦界三年  斗凉
恨いふ顔にも愛のこぼれける  梅足
 水屋に聞ハ今朝の旅立  馬隠
来るや否懇意の多き京の宿  梨東
 爰にも飛騨の工む御社  馬隠
垣結ふて謂ありけなる花一木  フ
 みせののれんに狂ふ山鳥  フ
作者(連衆)
菊貫(真田幸弘)・馬隠・梅足・斗涼・梨東