雛棚の給仕雛程着飾りて | 梨東 |
恋の狼烟といはん空炷 | 冬央 |
見る程は翠簾の屏風にはさみ紙 | 李冠 |
能の面に饅頭の艷 | 仙露 |
借て来た矢立の墨の干からひて | 虎丸 |
琴弾松に音を留る雪 | 里橋 |
山科に咲や忠義の冬籠 | 冬央 |
怖そふに出す咡の耳 | 虎丸 |
錢て濟事を禿の願ごと | 仙露 |
庭の景色も有ル水の物 | 李冠 |
うつ向に寐て漕舟の港通 | 里橋 |
地軸に響く活僧の声 | 花足 |
月も又歳ふる松に洩馴て | フ |
出來秋とてか多き行かひ | フ |
- 作者(連衆)
- 梨東・冬央・李冠・仙露・虎丸・里橋・花足