松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

裏(ウ)

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今年綿山ほと積て眼に寒し  湖遊
 捨子完尓とはたを泣  有斐
笋に庵の厠の戸が明かす 菊貫
 乳守の馴染住吉て見る  立葵
菅笠も女道者の仮名交り  兎秀
 願ひある身の言葉すくなき  花足
ヱイ突の肘の力も加減もの 僊哦

 嶌に限て腹痛ハなし  子弦
都まて名も照らししる月の哥  園女
 寺のさりやくも菊の油上  芦風
羽遣ひも流石巣鷹の鶉捉 如圭
 野渡なれハこそ棚なして漕  柳絮
親里へ苞物提て花の春  子鷹
 暖簾もろふて曠けふ年礼  子弦
作者(連衆)
子鷹・柳絮・如圭・芦風・園女・子弦・僊哦・花足・兎秀・立葵・菊貫(真田幸弘)・有斐・湖遊