日の長閑浅草寺へ生菩薩 | 白日 二 |
鸚鵡けろりと咡の顔 | 梨東 二 |
中庭のたしなき風に掛人 | 斗涼 二 |
釣瓶の切れた音か地の底 | 杵十 二 |
夘の花に桙か障つて手一合 | 白日 三 |
馬の面ラ出す先に錦木 | 花足 二 |
めてやかな狂女見るほと物凄し | 斗涼 三 |
檢使の側に煮へる焼酎 | 梅足 二 |
鳥渡脇付て羽織の袖畳 | 万年 二 |
朝出る牛に見ゆる鼻息 | 馬隠 二 |
造営の内は仁王も艸に寝て | 菊武 二 |
茸の出るうち山を買切る | 万年 三 |
とんとりと顔影のうるみし雨後の月 | |
華さへ枯る書写の秋され | 梨東 三 |
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・梨東・斗涼・杵十・花足・梅足・万年・馬隠・菊武