伐出して秋を商ふ屋敷守 | 菊武 |
寶といへと子持ち貧乏 | 万年 |
晦日掃さつとにしても小半日 | |
いそかし紛れ引て見る袖 | 菊武 |
文殻の裏を返して覚書 | 万年 |
茶碗の底に呑残る水 | |
けに華のかゐらき鞘も人の品 | |
賑ハしき物門の松竹 |
羽子板に先風光る中の町 | 白日 |
魚なら捨る所振袖 | 環川 |
生酔の寝覚に雪を一抓 | 太路 |
燈籠かゝくる池田久右衛門 | 梅足 |
急用の封の切兼て | 斗涼 |
端午の下馬の籃臭き風 | 笑口 |
おしひらく扇の形も月の友 | |
頭に神ややとる正直 |
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・笑口・斗涼・梅足・太路・環川・万年・菊武