松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

名残裏(ナウ)

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火を入て筏の上の蚫殻  梅足
 兜脱たハたしか落人  斗涼
高からす又低からす郭公  笑口
 先も見ぬ顔堤八丁 環川
天蓋に若衆の腮の卵程  万年
 喧嘩の跡の血りを嗅く犬  梅足
篭なから家を車に鶏雞啼 白日

 茶碗落として下女か念仏  笑口
年忘れ罔両みんな坊主也  立葵
 心耳をすます十寸見山彦  万年
荒馬の夜乗とつくと星をよミ  笑口
 朧々と出る月代
花の香を只徐に風の伝
 黄昏遅く思ふこしかた
作者(連衆)
白日(真田幸弘)・梅足・斗涼・笑口・環川・万年・立葵