鯊釣の逃した椀にたる入て | 梅足 |
二荒の御山誰もぬかつく | 陸馬 |
雨の合歓人も昼寝のよい時分 | 花足 |
しひれる肘の傍に細見 | 白日 |
立聞に来たは女房の味方にて | 菊武 |
矢師の火鉢に炭の洞穴 | 馬隠 |
蜂に似て香の人を追ふ蘭の花 | 花足 |
日和定る月の此頃 | |
船迄も生姜の匂ふ芝の伊勢 | 貫環 |
怪我したわつぱ帯〆てやる | 陸馬 |
造営のゝちは御釈迦も蔵に寝て | 菊武 |
千社詣にたゝぬ春の日 | 馬隠 |
花曇二日続て跡うらゝ | |
蝶の吹るゝ風さへもなき |
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・梅足・陸馬・菊武・馬隠・花足・貫環