きぬ川にゆふぜん染の紅葉鮒 | 太路 |
兄娵の手を引て仮橋 | 梅彦 |
恨ある傾城の顔額て見る | 貫環 |
三嶋へ下りて元の六月 | 莫牙 三 |
葛水に痺へ付る塵ひとつ | 雲牙 三 |
赤子の蓋を取て近付 | 菊武 二 |
引窓へ玉火の移る問部河岸 | 馬隠 二 |
降にてハなしみな月の露 | 陸馬 |
菜畠も住寺かはつて菊畠 | 簣十 二 |
旅箪笥とハ茶器めかぬ銘 | 梅足 二 |
藝迠も生れ附たり氣も高尾 | 貫環 二 |
花ふみしたく打かけの裾 | 万年 二 |
東から上ケ幕きつて初日の出 | 莫牙 四 |
太箸拍なから笑ふ子 | 陸馬 二 |
- 作者(連衆)
- 太路・梅彦・貫環・莫牙・雲牙・菊武・馬隠・陸馬・簣十・梅足・万年