松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

表(オ)

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飛込し音ハ椿か啼蛙

 庭は朧に景色添ふ月
羮の中に蕨の匂ひして
 見せすともよい手帋越たり
村雨の土濡るほとぬれぬ程
 すてに一棹岸を出る舟
涼風は人の望の足るこゝろ
 待久しさの秋の近よる