初雁や硯の海を浪立て | 如圭 |
といふ処へ鸚鵡吉兵衛 | 菊貫 |
智恵の輪に女の智恵の跡や先 | 子弦 |
かうかい折て直る癇癪 | 菊武 |
郭公ふいと新弓に癖か出て | 花足 |
駈辺んた子の時過て泣 | 春眠 |
寐る起る雨に手のなき角力宿 | 惠風 |
配り新酒にしみて居る熨斗 | 沾山 |
風落て又跡もなし朝の月 | |
破舩の人歩砂一字を書 | 子弦 二 |
嶋/\へ使の近き荒鵜取 | 如圭 二 |
いはれを聞はおそろしき神 | 子鷹 二 |
心よう花の一樹の咲満て | |
また暮遅き農談の跡 | 沾山 二 |
- 作者(連衆)
- 菊貫(真田幸弘)・如圭・子弦・菊武・花足・春眠・惠風・沾山・子鷹