松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

名残表(ナオ)

画像を拡大する
拍子利過て砧の秋めかす
 留守のやうなる元役か店  太路
あまり身の隙さにひとり揉題  杵十
 茶にうかされて初郭公  太路
空蝉の幮に息子の落文  牛如
 元結白く見ゆるきぬ/\  立葵
凩の尻尾の残る枯柏  馬隠

 土のかもまたぬけぬ炉開  杵十
名将の手跡にてらす大徳寺  太路
 捨子を包む紫衣の片袖  雲牙
似た事を噺し合ふたる渡し守  立葵
 毛見も一盃過す松嶋  杵十
秋もはやわつかに残る九日茄子  馬隠
 雲のあなたに見ゆる有明
作者(連衆)
馬隠・立葵・牛如・杵十・太路・御(真田幸弘)