松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

名残表(ナオ)

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鹿の子に子供の逃る奈良の町  雲牙
 朝寝目にたつ老いのそく才  馬隠
伊達もはや紙衣ともに仕尽くして 菊貫
 雪に明るく艶のある髪  芦風
口切の挨拶後座て茶酌見る  立葵
 隠居と異名下屋敷守  梅足
夏艸の陰から萌て?ほた湯 芦風

 真中を見て居る取膳 環川
母育芸者はたへの無分別 菊貫
 引尾のやうに黒繻子の帯  太路
椽先に落葉と并ふ庭草履  牛如
 麩屋に研せる尼か剃刀 環川
揃待のよるもさハるも見知?  雲牙
 薄のまねく方に夕月
作者(連衆)
牛如・太路・環川・梅足・立葵・芦風・菊貫(真田幸弘)・馬隠・雲牙