松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

表(オ)

画像を拡大する
ぬけたりなあはれ清水の片艸鞋
 真昼しきりに声高き蝉
稀人に古び花団扇やまいらせて
 畳の縁に些長き藝塵
晩鐘の近い日もあり遠き日も
 今昇る月しはしいさゆやふ
林枝々と小鳥の羽音凉しき
 ものよく乾く秋の初風