松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

表(オ)

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入る月や闇の方行雁の声
 二百十日の穏な暮
口切た新酒に蔵の賑ひて
 こゝから向は笠をかふせす
旅人の物背負連る木枯に
 名もなきものに多き冬草
はゝたりも年経る松の八九間
 面白く世を渡る水茶屋