此秋も孝子の稲の穂に穂咲 | 菊貫 |
不意と加持して旅僧居過す | 環川 |
物怪か去れハ其侭無筆なり | 梨東 |
一際痩の目立つ夏帯 | 梅足 |
箸ほとの蛇に轟く長つほね | 太路 |
六斎風呂の上客か尼 | 梅足 |
去る者は疎く喪明け賑ひて | 環川 |
雫て印のよめ兼る傘 | 梨東 |
斯老て人も紙衣に冬枯る | 菊貫 |
白歯あなとり負た拳酒 | 太路 |
端の寮知らぬ仲居の呼かけし | 梅足 |
坊主返りと見ゆるどこやら | 菊貫 |
手日記に年々同し花七日 | フ |
柱のかけに春の弓張 | フ |
- 作者(連衆)
- 太路・梅足・梨東・環川・菊貫(真田幸弘)