観音を前立奥に高尾有 | 白日 |
くはへたやうに帯へ鼻紙 | 笑口 |
牡丹咲場に俄の涼臺 | 簣十 |
夏ハ引越きりの別荘 | 梅彦 |
立ほとも焚かぬ筏の夕煙 | 梅足 |
降れハ社のきへる淡嶋 | 莫牙 |
粥杖の伏勢梅を小桶にて | 太路 |
囁くかげを笑ふ鶯 | 雲牙 |
草餅の使なからにいとま乞 | 牛如 |
瀧の不動のいつも濡色 | 立葵 |
馬の沓一ツ下かつて下紅葉 | 陸馬 |
とさり/\と関取の脉 | 馬隠 |
静さハ虫の来て啼窓の月 | 万年 |
慰てなし軍中の茶事 | 貫環 |
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・笑口・簣十・梅彦・梅足・莫牙・太路・雲牙・牛如・立葵・陸馬・馬隠・万年・貫環