喰ふとはまた氣の付ぬ鹿の聲 | 杵十 |
やり人の化て通る金杉 | 花足 |
いふ事を聞かぬ娘の雪の傘 | 太路 |
手桶に餘る市の買物 | 菊武 |
舟宿に李白めいたる酔倒れ | 杵十 |
梵論へ施物を慇懃にやる | 云牙 |
葉廣柏に難波津のにしり書 | 斗涼 |
薄縁敷て夕月の櫩 | フ |
陸尺の家から出るたる角力取 | 菊武 |
人面瘡も懸人の敉 | 梨東 |
さます迚吹は白粥穴明て | 万年 |
奈良にはあらぬ鍛冶の朝起 | 菊武 |
花は皆咲揃ふたる南受 | フ |
角組芦を見する引汐 | フ |
- 作者(連衆)
- 杵十・花足・太路・菊武・云牙・斗涼・梨東・万年