雉子鳴て地に渦巻く浪の音 | 簀十 |
身投たすけた跡の人たち | 梅足 |
荷は殻に夏桃売の高噺 | 陸馬 |
かんてらの燈に栄る撫子 | 貫環 |
蜘の囲を羽織の裾に三輪の神 | 花足 |
娘かすねて髪をいやかる | 立葵 |
後むき合ふて箍掛鍋いかけ | 梅足 |
枝垂桜を笠に着る寮 | 簀十 |
朝鷹の落くさあたら麦踏て | 白日 |
陶提げて親の治聾酒 | 立葵 |
縄摩家のしつかな八庄司 | 陸馬 |
扉洩灯の棹に笈仏 | 貫環 |
漕下す舟に連たつ宵の月 | |
降らぬやうても露は降るもの |
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・簀十・梅足・陸馬・貫環・花足・立葵