そこか因縁傾城の兄に紫衣 | 御 |
百里へ懸る夢の浮橋 | 万年 |
化かされたやうな心て神路山 | 立葵 |
牛か戻れハ機下る下女 | 菊武 |
売なからまた味知らぬ初松魚 | 雲牙 |
きらすを上て弁天へ三寸 | 環川 |
聟の年いらぬ隣て岡つもり | 馬隠 |
悋気に狭い十府の菅薦 | 御 |
墨さして仕舞ふ大工の覚書 | 雲牙 |
掘抜井戸に白鳥の声 | 太路 |
我か内を人任セなる藤沢寺 | 梅彦 |
兎角見残す四石八木 | 斗涼 |
月花の籠る矢立の筆の先 | |
蚫の貝に雨後の陽炎 |
- 作者(連衆)
- 斗涼・梅彦・太路・馬隠・環川・雲牙・菊武・立葵・万年・白日(真田幸弘)