木屋町ハ皆空蝉の春日和 | 白日 |
ひとりで落る外罠の音 | 梅足 |
迷ひ子の鉦ハ野末に朝朗 | 笑口 |
塞いた顔て大門を出る | 環川 |
かなしいも嬉しい事も若盛 | 菊武 |
二度娑婆へ来た心地漂着 | 白日 |
ほんのりと靄の中から包顔 | 笑口 |
二見の浦の舟に賽銭 | 立葵 |
濱道を新酒に酔て千鳥足 | 斗涼 |
月の形りても薄闇い窓 | |
八朔の雪積上し御針部屋 | 梅足 |
實よりつらい啌て寐る癪 | 環川 |
辻へ子を捨るもやはり夜の靏 | 笑口 |
殻車ほと潜戸の音 |
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・斗涼・立葵・菊武・環川・笑口・梅足