松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

2裏(2ウ)

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ゆふ/\と沙走の海の懸舟  雲牙
 鯨の吹た息に浮く城  梅足
五斗俵を張子の様に男とも 川子
 番頭捌き下戸に仕裸ふセ  馬隠
牡丹畑十九や廿の真盛  雲和
 僧も奇麗とほむる薄雲  雲牙
呪の不思議虫歯の虫吐て  梅足

 相撲見た夜はぐつすりと寐る
うそ寒き月の夕部の風の音
 乏し歩兵に遣る栗の渋皮 川子
對陣の横を牛押し杭引  雲牙
 恐ぬ夜はやきつい乱れ鶏  雲和
白々と香やはからるゝ
引るゝも引も香ふや花の袖
 蒲公英伸る透垣の間
作者(連衆)
菊貫(真田幸弘)・雲和・馬隠・川子・梅足・雲牙