吉原や鳫さへ帰る世の春に | 白日 |
不二を見詰てつらき長陣 | 花足 |
並松の上を帆の行風の音 | 簣十 |
遊引行送りを泣て慕ふ子 | 成孚 |
時鳥〓塒{「土」に「時」に「圡」}の鷹のふて有りて | 其漣 |
秘薬の一間ト建込て置 | 惠風 |
穢多町の桜ハもろく散りもせす | 如圭 |
羽折を帯へ男薮入 | 子弦 |
ねたられて對の禿は對の雛 | 春眠 |
田舎分限の江戸に喰付ク | 簣十 |
雪の日やしらせの銅鑼の遠い音 | 花足 |
いとゝ角立つ冬の残ン月 | フ |
御油御鼻馬赤酒坂にまた押狎 | 白日 |
色赤く/\と敷し毛氈 | フ |
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・花足・簣十・成孚・其漣・惠風・如圭・子弦・春眠