中の町人羽子板に風の影 | 菊貫 |
千客万来妻の揚貴妃 | 花足 |
鉢植の牡丹は母のほまち物 | 太路 |
剃た灸の跡を見たかる | 斗涼 |
まだ一つ顔に嚔の残り有 | 馬隠 |
肥らせたかる乳貰ひの欲 | 環川 |
犬鮒を二目煮て居る暮しづか | 仝 |
何年ぶりか市のとか降 | 梅足 |
茸羽折匂ひのわるい内か晴 | 雲牙 |
つふれた鮎の厭石に石下戸 | 斗涼 |
出来栄の宮居稀とも杉の花 | 御 |
白いもの着て車井を汲 | 環川 |
有明のいつしか露に影放れ | |
奥州誂秋寂だ声 |
- 作者(連衆)
- 雲牙・梅足・環川・馬隠・斗涼・太路・花足・菊貫(真田幸弘)