八景を腮てかそへて江鮒釣 | 白日三 |
浮世の灘に浅妻の舟 | 太路二 |
連退の梵論乏しく摺違ひ | 斗凉三 |
俗家のやうに寺も昼時 | 笑口三 |
筒鳥やいまた木曽路の花茄子 | 梅足三 |
おのれか糞に辷る犢 | 梅彦三 |
初鮭の太々講に引足らす | 大路三 |
桐油も染る松坂の秋 | 白日四 |
雲きれを覗きかゝりし昼の月 | フ |
競ひも際て通す菌擔桶 | 梅彦三 |
向島堀へ逃さぬ繋き鯉 | 馬隠三 |
恋の闇路に光る傾城 | 笑口四 |
花の香の風に引れてこゝらまて | フ |
郎徒しやきはつて能を見果す | 梅彦 |
解説
菌擔桶=たごおけ 菌担桶 肥え桶
- 作者(連衆)
- 白日(真田幸弘)・太路・斗凉・笑口・梅足・梅彦・大路・馬隠