松代藩第六代藩主 真田幸弘(菊貫)の文藝

翻刻文書

名残表(ナオ)

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呼ハ来る若狹の井戸の耳早き  有斐
 疱瘡除に人肌の面  芦風
小坊主の肩におかしき上の跡  立葵
 三井か傘の借さぬ日も有  子弦
北へ向く猪牙にも河豚の毒持て 菊貫
 空解帯は箱入の釼  花足
折悪敷客を這セる土用干 如圭

 波打寄る晒井の庭  兎秀
秣喰間に太き馬の息  湖遊
 火箸をさセハかはる榾  芦風
樽提て能見堂へ雪の友  柳絮
 孕て置た詩か丁度合  筆
床下に蛼啼て宵の月  々
 少吹ても実に秋風  々
作者(連衆)
柳絮・湖遊・兎秀・如圭・花足・菊貫(真田幸弘)・子弦・立葵・芦風・有斐